旅行や出張で飛行機を利用していると、避けて通れないのが「遅延」や「欠航」。そんなとき、「タクシー代やホテル代って、航空会社が出してくれるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
本記事では、JALとANAそれぞれの補償内容から、リムジンバスやタクシーの費用が実際に補償される条件、さらに申請方法までを実例付きで徹底解説!
空港で困らないための知識を、今すぐチェックして備えておきましょう。
JAL・ANAの遅延・欠航補償まとめ
国内線・国際線で補償の違いはある?
飛行機の遅延や欠航が発生した際、航空会社から交通費の補償があるかどうかは、国内線か国際線かによっても対応が異なります。一般的に、国内線は天候や機材トラブルなどが原因で欠航した場合、JAL・ANAは代替便の手配や宿泊費・交通費の一部を補償する場合があります。一方、国際線では、国によって航空会社に義務付けられている対応内容が異なり、ヨーロッパではEU規則によって補償内容が厳格に定められているなどの特徴があります。
たとえば、日本国内線の場合、航空会社都合での欠航なら、宿泊費と空港からの移動費(タクシー代やリムジンバス代)を補償される可能性がありますが、天候が理由のときは自己負担になることが多いです。国際線は航空会社のポリシーに加え、発着国の法規制も影響するため、どの空港・どの国を利用するかによって補償の有無が変わる点に注意が必要です。
航空会社によって対応に差があるため、事前に補償ポリシーを確認しておくことが大切です。
補償対象になる交通手段とは?
飛行機が遅延・欠航した際に補償される可能性がある交通手段は、主に以下の3つです。
交通手段 | 補償される可能性 | 備考 |
---|---|---|
リムジンバス | 高い | 空港連絡バスなど公共交通機関の場合が多い |
タクシー | 条件付きで高い | 夜間や終電後など代替手段がない場合 |
電車・モノレール | 場合による | 代替案として推奨されることが多いが領収書が必要 |
タクシー代は特に補償の有無が分かれやすく、深夜や地方空港で代替交通機関がない場合に限って補償されるケースが多いです。そのため、「移動手段が他にない」ことを証明することが重要です。補償を受ける際には必ず領収書をもらっておくことがポイントです。
航空会社が補償する理由と範囲
JALやANAが補償を行うのは、基本的に航空会社側の都合(機材整備、クルーの手配不備、社内システムトラブルなど)で遅延・欠航が発生した場合です。この場合、航空会社は責任を負うべきと判断され、宿泊費・交通費の補償を行います。
ただし、台風や大雪などの**不可抗力(天災)**が原因の場合、補償は行われません。理由は明確で、航空会社がそれをコントロールできないためです。
範囲としては、
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宿泊費(ビジネスホテル相当)
-
空港からの移動費(リムジン・タクシー等)
-
食事代(制限あり)
などがあり、補償金額には**上限(5,000円〜20,000円前後)**が設定されていることが多いです。
実際の対応金額と補償上限
実際にJAL・ANAが行っている補償対応の金額の目安は以下の通りです。
項目 | 補償の目安金額 | 備考 |
---|---|---|
タクシー代 | 5,000円〜10,000円 | 深夜帯や地方空港など |
リムジンバス | 実費(上限なしの場合あり) | 領収書必須 |
宿泊費 | 8,000円〜15,000円 | 空港周辺のビジネスホテル等 |
食事代 | 1,000円〜2,000円 | 飲酒代は対象外の場合が多い |
上限は空港や時期によっても変動します。また、支払い前に空港カウンターやサポートに相談することで、後からの補償トラブルを避けられます。
よくある「勘違いケース」
補償についてよくある誤解として、「飛行機が遅れた=必ず交通費がもらえる」と思ってしまうケースです。実際は、原因やタイミング、移動手段の選択によって補償対象外となる場合も多いです。
また、「後で申請すればOK」と思って領収書を取らなかった人も補償を受けられないことがよくあります。タクシーやバスなどの交通費を立て替える場合は、必ず証拠を残すようにしましょう。
次章からは、具体的にANAとJALそれぞれの対応について詳しく解説していきます。
ANAの遅延・欠航時の対応内容
ANAが交通費を補償する条件とは?
ANAでは、機材トラブルや整備上の問題など航空会社側に責任がある場合に限り、交通費や宿泊費の補償が行われます。一方で、天候不良や自然災害、空港の混雑などANAに責任がないケースでは、原則として補償対象外です。
具体的な交通費補償が発生する条件は以下の通りです:
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航空会社都合による遅延・欠航である
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当日中に代替便が手配できない
-
空港から自宅までの帰宅が困難(終電後など)
-
領収書の提出がある
ANAでは補償が「ケースバイケース」となるため、現場スタッフが事情を確認して判断することが多いです。そのため、補償を希望する場合は、到着地や出発地のカウンターで直接申し出ることが重要です。
また、ANAの公式サイトでは「運航案内」ページで補償の対象かどうかを案内しているので、事前確認も可能です。
実例:ANAの補償金額や対応内容
実際にANAを利用した乗客の体験談では、以下のような補償が行われたケースがあります。
ケース①(羽田空港)
夜20時発の便が機材トラブルで欠航。代替便が翌朝となったため、空港から都内ホテルへの移動費(タクシー代 6,200円)と、ホテル代(9,500円)が全額補償された。領収書を提示し、1週間以内に振込対応。
ケース②(新千歳空港)
大雪で欠航になったが、天候理由のため補償は一切なし。空港スタッフからは「自己負担になります」と説明。旅行保険でタクシー代を請求するよう案内された。
ケース③(伊丹空港)
整備不良による遅延で、終電が過ぎていたため、空港から自宅までのタクシー代(4,800円)をANAが現金支給。その場で領収書提出。
このように、ANAの対応は迅速かつ丁寧ですが、条件によって明暗が分かれるため、事前知識が大切です。
ANA便キャンセル後の代替手段
ANAが欠航となった場合、まず案内されるのが以下の代替手段です:
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同日の別便への振替
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翌日の便への変更(ホテル宿泊付き)
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他社便への振替(JAL・スカイマークなど)
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払い戻し対応(全額返金)
リムジンバスやタクシーでの移動を希望する場合は、他に移動手段がないことを証明することが補償の鍵です。また、ANAでは「お客様サポートデスク」や「空港インフォメーション」が対応してくれるので、移動前に確認・相談するのがベストです。
支払い方法や領収書の取り扱い
ANAでは原則として、立て替えた金額を後日精算するスタイルが多くなっています。そのため、タクシーやホテルなどの支払い時は領収書を必ずもらい、宛名を「ANA様」または「全日空様」にするのが望ましいです。
精算の流れ:
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空港で補償対象であることを確認
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領収書を保管し、ANA指定の申請フォームに入力
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銀行振込またはポイントでの返金(1~2週間)
ANAのホームページでも「ご搭乗便の運航に関するお知らせ」ページから補償申請フォームが見つかるので、後日申請も安心です。
ユーザーからの口コミや評価
SNSや口コミサイトでは、ANAの対応に関しておおむね高評価が目立ちます。
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「ANAはカウンターで事情を話したらすぐタクシー代をくれた」
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「丁寧な説明と対応で不安が減った」
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「領収書がないと補償されないと知って驚いた」
中には「補償対象外とされて納得がいかなかった」といった声もあるため、どのケースが対象なのか、自分の状況をきちんと説明できるよう準備しておくことが大切です。
JALの遅延・欠航時の対応内容
JALが交通費を補償するパターン
JAL(日本航空)もANAと同様に、自社都合による遅延・欠航に限って交通費などの補償を行うことがあります。具体的には、以下の条件に該当する場合です:
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整備不良・機材トラブル・乗員不足などJAL側の責任
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目的地到着が深夜となり、公共交通機関が利用できない
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代替便への搭乗が不可能で宿泊が必要なケース
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事前に空港係員が補償対象と認定したケース
ただし、台風・積雪・地震・火山噴火などの天災が原因の場合は、交通費・宿泊費ともに補償の対象外となります。このあたりはANAとほぼ同じルールです。
JALでは、欠航時に乗客に配布される「ご案内書」や「補償申請書」などに必要事項が記載されているので、その場で説明を受けておくとスムーズです。
実際に補償された人の事例
JALの補償実例をいくつか紹介します。これらはネット上の体験談や口コミからの引用です。
ケース①(福岡空港)
JALの羽田行きが機材整備のためキャンセル。代替便が翌日で、JALがホテルとタクシー代(片道7,000円)を補償。領収書提出後、10日ほどで銀行振込。
ケース②(伊丹空港)
夜20時発がJALの機材トラブルで遅延、結局欠航。帰宅手段がなく、タクシー代(5,800円)と夕食代(1,500円)を空港カウンターで現金精算。
ケース③(新千歳空港)
台風で欠航、JALからは「補償はありません」と案内。ホテルも交通費もすべて自己負担。帰宅後、旅行保険で一部補償を受けた。
このように、JALもANAと同様に「原因」によって対応が大きく分かれることが分かります。まずは「JAL側の責任か?」を見極めることが重要です。
JAL独自の「サポート内容」とは?
JALでは、欠航や遅延が発生した際に独自のサポート体制があります。特に注目すべきは次の3点です:
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JALスマイルサポート:高齢者・妊婦・小さなお子様連れを対象に、手厚いサポートを提供
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空港カウンター即時対応:現場で交通費精算やホテル紹介を迅速に行う体制が整っている
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Webでの補償申請:帰宅後にオンラインで補償を申請できるフォームを提供
特にスマイルサポートは、交通費や宿泊の補償だけでなく、付き添いサポートまでしてくれる点が他社にない魅力です。空港で「困っていることがある」と申し出れば、スタッフが丁寧に対応してくれることで定評があります。
リムジンバスとタクシーの選び方
JALでは、公共交通機関が利用できる時間帯であれば、リムジンバスの利用が基本的に推奨されます。ただし、リムジンが運行終了している場合や、地方空港などでバスの便が少ない場合は、タクシー利用も補償の対象になります。
補償対象として選ばれやすいのは以下の順です:
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空港リムジンバス(領収書必須)
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電車やモノレール(ICカード利用時は明細が必要)
-
タクシー(深夜・他に代替手段がないとき)
注意点として、「電車があるのにタクシーを使った」場合は補償されない可能性が高いです。JALカウンターでは必ず事前に「どの手段が補償対象になるか」を確認してから移動するようにしましょう。
空港カウンター対応の流れ
JALで補償を受ける際のカウンター対応の流れは以下のとおりです。
-
遅延・欠航の案内を受けたら、すぐカウンターへ
→ そこで補償対象か確認できます。 -
スタッフに事情を説明し、必要書類を受け取る
→ 領収書の提出や申請書への記入などが求められます。 -
移動または宿泊後、必要書類と一緒に申請
→ 書類をその場で提出または後日郵送・Web申請も可能。 -
補償金の受け取り(口座振込または現金)
→ 数日〜1週間程度で対応されるのが一般的。
この一連の流れを事前に知っておくことで、当日の混乱を避けることができます。とくに深夜便利用の際には、JALのサポート体制がしっかりしているので、遠慮せず相談しましょう。
交通機関別の対応と終電対策
リムジンバス・タクシー・電車の違い
飛行機が遅延・欠航した際に利用される交通手段には大きく分けて「リムジンバス」「タクシー」「電車(モノレール含む)」の3つがあります。それぞれの特徴と補償のされやすさを比較すると、次のようになります。
交通手段 | 補償対象になりやすさ | 備考 |
---|---|---|
リムジンバス | 高い | 公共交通機関として優先的に推奨される |
電車・モノレール | 中程度 | 運行時間内なら原則こちらを使用 |
タクシー | 条件付きで高い | 深夜・終電後・地方空港など限定条件あり |
たとえば、羽田空港から都内に向かう場合、通常なら京急線やモノレールが第一選択となりますが、深夜便で運行終了している場合はタクシーに切り替えても補償の対象になりやすいです。
ただし、どの手段を選んだとしても、領収書がないと後から補償申請が通らない可能性が高いので要注意です。
「終電を逃した場合」のリアル対応
遅延便に乗っていた結果、空港に到着した頃には終電を逃してしまった…というケースは非常に多くあります。このようなとき、JALやANAでは以下のような対応を取ることが一般的です。
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空港カウンターでタクシー利用の承認(事前にスタッフに確認)
-
宿泊施設を紹介(予約代行やバウチャーの提供)
-
タクシー代やホテル代の領収書を受け取り後日精算
ただし、空港で黙って帰ってしまうと、補償対象外になることが多いため、必ずその場で航空会社スタッフに声をかけて相談することが大事です。
特に終電を逃した場合は、「タクシーしか手段がなかった」という証明が重要になります。駅が閉まっている写真や、バスが終了している案内掲示板の撮影なども補助資料になることがあります。
地方空港での交通アクセス事情
地方空港では、都心部のような電車やバスの頻発運行は望めません。そのため、タクシーや空港シャトルの需要が高まりますが、台数が限られており捕まらないこともあります。
例として:
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鹿児島空港:リムジンバスは夕方で終了、夜はタクシー一択
-
旭川空港:市街地までバスで約40分、終バスは20時台
-
新潟空港:夜間便が少なく、代替交通は限られる
こうした地方空港では、補償の可否よりも「帰れる手段があるかどうか」が最重要。移動前に空港スタッフと相談することで、対応策を案内してもらえる可能性があります。
また、地方空港利用時は、事前に運行表や代替交通の有無を確認しておくと安心です。
補償されやすいケースとされにくいケース
交通費が補償されやすいケースと、そうでないケースを表にまとめました。
補償されやすいケース | 補償されにくいケース |
---|---|
航空会社都合の遅延・欠航 | 天候・自然災害による遅延・欠航 |
深夜帯・終電後で移動手段がない場合 | 公共交通機関が運行していた場合 |
事前にスタッフへ相談した場合 | 勝手に移動・領収書がない場合 |
領収書が正しく提出された場合 | 金額が高額すぎる場合(上限超過) |
地方空港で代替手段がない場合 | 都心部で移動手段が豊富な場合 |
補償対象になったつもりが、実は対象外だったということも多いため、自分のケースがどちらに該当するのかをその場でスタッフと確認しておくのがベストです。
羽田・成田・関空での対応の違い
最後に、日本国内でも特に利用者が多い3空港(羽田・成田・関空)での補償対応の傾向を比較してみましょう。
空港 | 補償対応の特徴 |
---|---|
羽田空港 | 深夜便多数。終電後タクシー補償あり。宿泊案内も充実 |
成田空港 | 東京から遠いため補償額が高くなる傾向。リムジンバス中心 |
関空 | 深夜到着便も多く、タクシー補償が柔軟。宿泊施設も周辺に多数 |
羽田・成田は特に深夜帯の便が多く、タクシー代やホテル代が補償されるケースも増加中です。関空も同様に、深夜対応が整っているため、事前相談すれば安心して移動ができます。
補償申請方法と注意点
必須の持ち物や証明書類
補償を申請する際には、いくつかの「必須アイテム」と「証明書類」が必要です。これらを用意しておかないと、後から申請ができなかったり、申請が通らないこともあるため注意しましょう。
主な持ち物と書類は以下の通りです:
必須アイテム | 用途・理由 |
---|---|
搭乗券または予約確認書 | どの便に乗る予定だったかの証明 |
遅延・欠航証明書 | 航空会社の責任であることの証明 |
領収書(移動費・宿泊費) | 実際にかかった費用の証明(宛名要確認) |
身分証明書(運転免許証など) | 本人確認のため |
銀行口座情報(口座番号等) | 返金処理用(後日振込されるケース) |
特に「領収書」は必須中の必須で、金額・日付・宛名・内訳が明記されているものが理想です。手書きでもOKですが、内容が不明瞭だと補償されないこともあるため、レシートや明細は大切に保管しておきましょう。
手続きのタイミングと場所
補償申請のタイミングは大きく分けて2つあります。
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当日、空港カウンターで直接申請する場合
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遅延・欠航が判明したらすぐにカウンターへ
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現場スタッフに補償対象かどうかを確認し、その場で精算または申請書を受け取る
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後日、自宅から申請する場合
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空港で必要書類を受け取り、後日郵送またはWEBで提出
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書類と領収書をまとめて申請(1〜2週間以内に行うのが望ましい)
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当日の混乱時は空港が大変混み合うこともありますが、後日申請する場合は、申請期限があることに注意しましょう(ANA:7日以内、JAL:1週間〜10日以内が目安)。
オンラインでの申請方法
最近では、JAL・ANAともにオンラインでの補償申請に対応しています。特にスマホから申請できるので非常に便利です。
ANAの補償申請ページ(例)

JALの補償申請ページ(例)
必要情報を入力し、領収書の写真をアップロードすれば申請完了。手続き完了から7〜10営業日で振込されるケースが多いです。
ポイント:
-
書類の画像は鮮明に撮影する
-
入力内容は正確に
-
送信完了メールを必ず保存しておく
よくあるトラブルと回避法
補償申請時によくあるトラブルには以下のようなものがあります:
トラブル例 | 回避策 |
---|---|
領収書を紛失してしまった | スマホで必ず写真を撮っておく |
補償対象外と判断された | スタッフに補償基準を確認・記録しておく |
申請書の記入漏れ・誤字 | メール送信前に再確認する |
宛名が個人名になっていた(例:山田太郎) | できれば「JAL様」「ANA様」で発行する |
書類提出が遅れて受付終了してしまった | 1週間以内には必ず手続きをする |
申請前に、公式サイトやカウンターでの案内内容をスクリーンショットしておくと、後日交渉材料にもなります。
申請しても補償されない場合の対処法
補償申請をしても、どうしても「対象外」とされてしまう場合があります。その際は、以下のような方法を検討しましょう。
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旅行保険の活用:クレジットカード付帯の保険や任意加入の旅行保険で交通費を請求できる場合があります。
-
消費者センターに相談:航空会社の対応に納得できない場合、公的機関に相談することで調整されるケースもあります。
-
次回のために証拠をしっかり残す:今回の教訓を活かし、次からは早めの相談と証拠確保を徹底する
ただし、航空会社側の規定に沿った対応である場合は、交渉が難しいこともあるため、その場での確認・相談が最重要です。
補償対象外になるケースまとめ
天候理由の欠航と補償の関係
飛行機の欠航や遅延の原因が「天候によるもの」だった場合、基本的にJALやANAといった航空会社は交通費や宿泊費を補償しません。この理由は、航空会社が気象をコントロールできない「不可抗力」として扱われるためです。
たとえば、次のような状況はすべて補償対象外になる可能性が高いです:
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台風や大雨による悪天候
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積雪・視界不良
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落雷や突風
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地震・火山噴火による運航見合わせ
このような場合、航空会社は代替便の手配やキャンセルによる航空券の払い戻しには対応しますが、それ以外の補償(移動費・宿泊費・食事代)は自己負担になります。
なお、旅行保険に加入していれば、天候による欠航でも補償が出る場合があります。空港で航空会社からの補償が得られない場合、保険内容を確認してみましょう。
自己都合での乗り遅れはどうなる?
「寝坊して空港に間に合わなかった」「渋滞で出発に間に合わなかった」などの自己都合による乗り遅れやキャンセルについては、一切の補償はありません。
また、搭乗締め切り時間に数分遅れただけでも、便への搭乗はできず、払い戻しや変更が不可になる場合もあるため注意が必要です。特に、以下のようなケースが対象外です:
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到着遅れによる他便の乗り継ぎ失敗(航空会社が異なる場合)
-
空港への道が混雑していた
-
間違えて違うターミナルに行った
このようなリスクを避けるためには、フライトの2時間前には空港に到着する余裕を持つことが鉄則です。また、複数の航空会社を利用する乗り継ぎには、最低でも3時間以上の余裕があると安心です。
遅延証明書はいつ必要?
補償申請や会社への遅刻連絡、旅行保険の手続きなどで必要になるのが「遅延証明書(もしくは欠航証明書)」です。これは、飛行機が実際に遅れた・欠航した事実を公式に証明する書類で、空港カウンターまたは航空会社の公式サイトから入手可能です。
遅延証明書が必要なシーン
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会社や学校へ遅延を報告する場合
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旅行保険を利用して補償を受ける場合
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鉄道やバスの振替交通費を申請する場合
遅延証明書は、JAL・ANAともにWebでPDFとして発行されることが多く、数日後に各航空会社の運航案内ページからダウンロード可能です。空港でスタッフに依頼することもできますが、混雑時は対応が難しいこともあるため、Web発行がおすすめです。
他社振替便利用時の補償扱い
JALやANAが欠航になった場合、他の航空会社への振替便に案内されることがあります。たとえば、ANA便が欠航になった際にJAL便へ、またはスカイマークやスターフライヤーへの振替などです。
この場合、移動手段の補償に関しては以下のようになります:
-
振替便に乗るまでの交通費(空港移動など) → 原則補償対象外
-
振替便が深夜発で、宿泊が必要になった場合 → 航空会社に要相談(ケースバイケース)
他社便利用になると、補償の責任があいまいになりやすく、対応が分かれることがあります。こうした場合は、振替案内を受けた時点で「移動費や宿泊費の補償はあるか?」を確認しておくことが非常に重要です。
旅行保険で補える場合との違い
航空会社から補償が得られなかった場合に備えて、旅行保険やクレジットカード付帯保険を活用するという手段があります。
補償手段 | 補償対象の例 | 備考 |
---|---|---|
航空会社の補償 | 航空会社都合の遅延・欠航 | 天候・自己都合は対象外 |
旅行保険(任意) | 天候遅延・交通費・宿泊費など | 条件を満たせば申請可能 |
クレジットカード保険 | 遅延・欠航・手荷物遅延など | ゴールドカード以上で対象が多い |
特に、天候理由での欠航や宿泊が必要になった場合は、旅行保険が頼れる存在になります。保険会社によって条件は異なりますが、「遅延〇時間以上で補償対象」「領収書・遅延証明書の提出が必要」といったルールがあります。
旅行保険はスマホで簡単に加入できるものもあるため、空港で遅延が分かった時点で加入するのも一つの手です。
まとめ:飛行機の遅延・欠航時に損しないための行動リスト
飛行機の遅延や欠航に遭遇すると、不安や混乱がつきものです。ですが、JALやANAは原因によって適切な補償を用意しており、正しい知識と行動があれば、交通費や宿泊費を補填してもらえるケースも多いのです。
今回の記事では以下のポイントを詳しく解説しました:
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補償されるかは「原因」がカギ(天候か航空会社都合か)
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リムジンバスやタクシーは補償対象になる場合あり
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補償には「領収書」や「遅延証明書」が必要
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終電を逃した場合は、スタッフへの事前相談が必須
-
申請は空港当日 or オンラインでもOK。申請期限に注意
また、旅行保険を活用すれば天候による欠航でもカバーされる可能性があるため、出発前の備えとして保険のチェックも大切です。
トラブル時には焦らず、まずは航空会社カウンターで状況を説明し、指示を仰ぎましょう。
正しい手続きをすれば、無駄な出費を避けられます!